吉野谷鉱泉

福島県いわき市平吉野谷字南作135-2 Tel:0246-28-3288

《福島県での宿泊予約は こちら から》

吉野谷鉱泉に向かって車を走らせていると、カーナビではすぐ近くまで来ているはずなのに、一向に「それらしく」ならない...
凄く鄙びた湯治専門の鉱泉宿と聞いていたのだが、辺りはニュータウンで住宅が建ち並び、大学の大きなキャンパスもあったりする。とても、湯治場があるような雰囲気ではないのだが、「吉野谷鉱泉」と書かれた看板から細い坂道を下っていくと.. そこには全くの別世界があった。まるで異次元に迷い込んだかのように、周りの環境からポツンと取り残された、鄙びまくった宿がちゃんとあったのだ。
周囲を丘陵に囲まれた窪地にあるので、余計なものは何も見えない。ただただ、静寂の中にひっそりと佇んでいる。

いやぁ〜、それにしてもここは凄い。今どき、このような宿がまだ健在であったとは.. まるで「DASH村」のようだ。建物も、いつ自然崩壊しても不思議ではないほど年季が入っている。

夕方にチェックインした私を迎えてくれたのは、「社長の兄」という支配人であった。客室はもちろんのこと、トイレや洗面所、炊事場などにも全て私を連れていって、1つ1つ丁寧
に説明してくれる。特に浴室では、色々な注意点を聞く。曰く、「熱かったら鉱泉水でうめる」、「それでもぬるくならなかったら、ポリバケツの中に溜めてある鉱泉水を入れる」、「ぬるくなりすぎたら鐘を鳴らすこと」、「浴場で石鹸を使うと、湯治の老人が滑るので使用禁止」、「宿泊客でも入浴は夜7時半まで」などなど..
そう。ここは純然たる湯治の宿なのだ。普通の旅館のつもりで泊まると色々と戸惑うことも多いが、慣れてしまえば、これはこれで快適である。

浴室は2つあるのだが、常に片方にしか湯を張っていないとのこと。そのため、必然的に混浴である。
私は宿泊したので、夜に一人湯を楽しんだが、昼間は日帰りの療養客で結構混み合うらしい。浴室自体はそこそこの広さだが、なにぶんにも湯船が小さい。昔ながらのタイル張り浴槽は一般家庭の風呂とほとんど変わらない大きさで、まあ普通なら一人用であろう。でも、おそらく昼間は、これに男女一緒に2〜3人は入るのだろう... まあ、若い女性が来ることはまずないだろうから、それでも大丈夫なのだと思う。

湯は無色透明。灰色の湯の花が少々見られ、また、日によっては白濁、黒濁、赤濁することもあるそうだが、私が入った時は、まあほとんどクセらしいクセはなかった。
しかしここの湯、効能的には凄いものであるとのこと。ストロンチウムやプロミンを含有する、非常に珍しい泉質で、特にリュウマチや神経痛、腰痛には絶大な効果があるらしい。なんでも、全く歩けなかった人が、この温泉に入ると歩けるようになったとか...

その貴重な鉱泉を、そのまま溜めて薪で沸かし続けている。そのため、しばらく誰も入っていないと、ものすごく熱くなり、私が入った時などは50度近くにまでなっていた。
そこで、蛇口から冷たい源泉を注ぎ足すという仕組みだ。この源泉、「白水鉱泉水」と「渋水鉱泉水」の2種類がある。ただ、最近では「白水」のほうの出が悪くなってきており、確かに蛇口からもチョロチョロとしか出なかった。このまま涸れてしまうのだろうか..

その代わり、「渋水」のほうは結構な勢いで出てくる。そのまま飲用も可能。飲んでみたが、「渋水」という割には全然渋くもなく、たいへん飲みやすかった。ちなみにこの鉱水、一人につき一升瓶2本分まで持ち帰ってもいいそうである。

夜、一人で湯に浸かっていると、面白いほど何の音も聞こえない。シーンと静まりかえっている。しかも、浴室の灯りは裸電球1つだけで、かなり薄暗く、もののけ姫でも出てきそうだ...

ちなみに宿泊料金は、素泊まりで一泊4,100円。客室の様子は右の写真の通りで、4畳半に蒲団とこたつ、そして100円テレビがあるのみ。ただし、清潔に保たれており、気持ち良く泊まることができた。

この宿、私は大いに気に入った! こんなに素晴らしい鉱泉宿が、いつまでも残ってくれることを祈りたい。

 泉質
不明
(ストロンチウムやプロミンを含有した冷鉱泉)
 日帰り入浴情報
8:20〜16:00、18:30〜19:30 無休 500円
 アクセス
JR常磐線いわき駅から車で約15分。
|戻る|

スパミシュラン 福島県の温泉

宿・ホテル予約ならじゃらんnet




















 
初入湯年: 2006年
 (最終更新日: 2006年2月)